日経平均とは何かをわかりやすく解説!ETFと投資信託で日経平均株価へ投資しよう

 

この記事の目次

2021年2月、「日経平均株価が約30年ぶりに3万円台を突破」のニュースが大きく報道されました。

日ごろテレビや新聞でよく見聞きする日経平均株価ですが、よくわからないと思っている人もいるでしょう。

日経平均株価とは、日本の有名企業225社の株価平均を示した指標です。

たとえばソニーやトヨタ、ユニクロで有名なファーストリテイリング。

日経平均株価には、こうした日本を代表する有名企業の銘柄が採用されています。

したがって日経平均株価を見れば、日本企業の株価の調子・株式市場の動向がわかるようになります。

投資対象選びの参考にもなるため、投資を始める人は日経平均株価に注目してみるといいでしょう。

日経平均株価の動きに投資する方法も紹介していきますので、投資の参考にしてください。

1.日経平均株価とは、日本を代表する企業225社の株価平均

トヨタやソニーなど、日本の有名企業225社の株価平均によって算出する指標が日経平均株価です。

国税庁の調査によると、日本国内の株式会社は約253万社。

そのうち約2,200の企業が東京証券取引所一部に上場しています。

この上場企業約2,200社の中からさらに絞り込まれた225社の株価平均を元に、算出された指標が日経平均株価なのです。

<日経平均株価とは>

・日本を代表する有名企業の株式225銘柄の平均を元に算出されている指標

日本経済新聞社が市場の流動性の高さや業種のバランスを考慮した選定基準により、選定している

・採用銘柄は固定ではなく、選定基準に基づいて定期的に入れ替わる

「日経225」「日経平均」と呼ばれることもある

日経平均株価の選定基準はいくつかありますが、第一に見られているのは「市場での流動性の高さ」です。

流動性の高さとは「株式市場でどれだけ活発に取引されているか?」ということ。

日本経済新聞社では過去5年間の売買代金が多いほど活発に取引されていて、流動性が高いとみなしています。

第二の基準は、同じ業界の企業ばかりにならないような「バランスの配慮」です。

自動車業界ならトヨタや日産、スズキ。食品業界なら味の素や日本ハムなど、それぞれの業界からバランスを見て銘柄が選ばれています。

したがって日経平均株価に選出される銘柄とは、その業界の中でもとりわけ活発に取引されているということ。

他にも細かい選定基準はありますが、各業種のトップ企業の株価が平均化されていると考えるとわかりやすいでしょう。

2.日経平均に注目すると何がわかるのか

日経平均株価に採用されている企業は、日本の株式市場を代表する企業とお伝えしました。

つまり日経平均株価を見ることは、日本の株式市場全体の調子を見ることになります。

・日経平均が下がっている→225社の株価が平均的に下がっていて元気のない様子

・日経平均が上がっている→225社の株価が平均的に上がっていて元気のある様子

このような見方ができるでしょう。

投資初心者が見れば株式市場・経済の動向に敏感になれますし、投資しやすい銘柄も見つけやすいです。

詳しく説明していきましょう。

2-1.日本の株式市場全体の調子がわかる

株式市場全体の動向は、景気を判断する材料の一つになります。

日経平均株価が史上最高値を記録したのは、日本中がバブルに湧いていた1989年。

3万8,957円を記録しました。

ところが2008年のリーマンショックでは、一時6,994円まで下落。

その後2012年のアベノミクスで徐々に回復し始めたものの、2020年のコロナショックでは一時1万6,358円まで下落しました。

景気の動向にあわせるかのように、日経平均株価も変動してきたことがわかります。

一方で2021年2月に日経平均株価が3万円台に突入したときは、首都圏を中心に緊急事態宣言が発令中でした。

まだまだ新型コロナウイルスの感染拡大は止まらず、人の流れが減って多くの企業が苦しんでいた時期です。

景気の実感としてもいいとは言えない時期に、なぜ3万円台に上がるほど株式市場が盛り上がったのでしょうか。

コロナ禍で景気は悪いはずなのに日経平均株価が高騰した要因は、以下にあると見られています。

・ワクチン接種が本格的に始まることによる、景気回復の期待が高まった

・金融緩和による金利低下で、株式への期待が高まった

景気がいいとは言えない状況でも、こうした「期待」によって投資家が株式を買えば、株価は上がります。

株価は、株式を買いたい人が売りたい人より多ければ上がるもの。

さまざまな企業の株価を平均化した日経平均株価が上がった理由も、それだけ「225社の株式を買いたい人が多くいたから」です。

このように、日経平均株価の動向を見ていくと経済や株式市場の調子が読み取れるようになってきます。投資家の期待によって株式市場が盛り上がっている今は、投資家にとってはいい投資環境。

つまり株式投資を始めるにはいいタイミングと言えます。

2-2.初心者が投資しやすい銘柄がわかる

初心者が株式投資を始めるときは、日経平均株価の採用銘柄が参考になります。

日経平均株価に採用されている銘柄は、トヨタやソニーといった各業界を代表する企業ばかりです。

これらの企業の銘柄が株式市場で突出した存在感を持っているのは、保険会社や銀行といった金融機関、日銀といった超大口の投資家が日々取引対象として購入しているからです。

株価は「売る人よりも買う人が多ければ上がる」もの。

つまり大口の投資家が大量に購入しているということは、他の上場銘柄と比べて株価が急激に下がりにくいことを意味します。

もちろん日経平均株価の採用銘柄だからといって、絶対に株価が下がらないわけではありません。

過去の日経平均株価を見ると上がったり下がったりといった変動を繰り返しています。

ただ他の銘柄に比べて値動きが安定していること、有名企業はニュースになりやすく動向もチェックしやすいのは事実です。

身近に使っている商品やサービスを提供している企業が多いため親しみを持ちやすく、関心を持って値動きを追えます。

そのため、最初の投資銘柄としてもおすすめです。

ただし日経平均株価に採用される企業の銘柄は、全体的に株価が高い傾向にあります。

複数銘柄に投資するにはまとまった資金が必要になることは、覚えておきましょう。

3.日経平均株価の動きに投資する方法

日経平均株価の採用銘柄は初心者におすすめですが、どの銘柄も株価が高く、まとまった資金がなければ購入しにくくなっています。

分散投資のために複数銘柄を購入しようとすると、数百万円もの投資資金が必要です。

投資初心者で、こうした多額の資金を用意できない人もいるでしょう。

そこでおすすめの方法が日経平均株価の動きに連動したETF・投資信託への投資です。

これらの商品に投資すれば、日本の株式市場全体への投資ができるようになります。

3-1.日経平均株価に連動するETF・投資信託の選び方

日経平均株価は株価指数であり、株式市場の動向を見る一つの指標です。

金融商品ではないので、直接の投資はできません。

しかし「日経平均株価の動きに連動するETF・投資信託」であれば、間接的に日経平均株価への投資が可能です。

ETFと投資信託は、どちらも「さまざまな資産・銘柄がパッケージ詰めされている金融商品」。

基本的な商品性は同じですが、ETFは上場していて、投資信託は上場していない点が大きな違いです。

・ETF=上場投資信託。上場株式と同様に株式市場で取引されているため、リアルタイムで購入できる。信託報酬と呼ばれる保有コストも低いのがメリット

・投資信託=上場していないため、株式のようにリアルタイムで価格が変動することはない。コストはETFよりやや高めだが、ETFより少額で積み立て購入しやすいというメリットがある

最近の日経平均株価連動型投資信託は、かなり低コストになってきています。

そのため投資信託だからといって、ETFと比べて大幅にコストがかかるわけではありません。

手間をかけずに少額で積み立て投資したい人や、より簡単に投資したい人には投資信託の購入がおすすめです。

ETFと投資信託を選ぶ際のポイントは以下の3つです。

・日経平均株価に連動する商品の中でも信託報酬が割安なもの

・ベンチマーク(日経平均株価)との値動きの乖離が少ない、いわゆるトラッキングエラーが少ないもの

・ファンドの純資産総額が右肩上がりで増えていて、安定した運用を期待できるもの

日経平均株価に連動するETF・投資信託は数多くあるため、上記であげた3つのポイントをよく比較して選ぶといいでしょう。

4.まとめ

日経平均株価を見ると日本の株式市場全体の調子がわかります。

株式市場の動きは経済と密接に関わっているため、日経平均を見ることは経済を、ひいては日本社会を知ることにつながります。

経済や日本社会と聞くと大げさに感じるかもしれませんが、要は人間の消費行動や心理を学べるのです。

「日経平均株価が上がっているのはなぜか?」の疑問から始まり、

・どうやらA社の株価好調が理由みたいだ

・A社の新製品○○の売れ行きがいいからではないか

・なぜ新製品○○が人気なのか

こうした仮説を立てて考えていくと、ある商品やブランドを買う人の行動や心理が見えてきます。

こうした身近な消費行動の理解は、あらゆるビジネスの基盤です。

だからこそ多くのビジネスパーソンが日経平均株価を見ているのではないでしょうか。

日経平均株価を見る取っ掛かりとしておすすめなのが、日経平均株価連動型の投資信託やETFです。

投資信託なら少額で積み立て投資できるため、投資初心者でも気軽に始めやすいです。

ご紹介したファンドの選び方を参考に、投資を始めてみるのはいかがでしょうか。


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