投資に活かせる資格とは|資格の概要をまとめてみました

 

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「投資」には株式投資や不動産投資、投資信託やFXなど様々な種類があり、何から始めようか悩んでいる人も多いかもしれません。

しかし、どの投資手法においても、投資を始める前に最低限の基礎知識を有しておくことはリスクを低減するうえで欠かせないでしょう。

そこで今回は投資に活かせる資格をいくつかピックアップし、概要などをまとめてみました。

また、資格の取得以外で投資について学べる方法もご紹介します。

1.まずはここから!おすすめの金融関連資格

投資に欠かせない金融全般の知識を得られる資格を2つご紹介します。

1-1.ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナーは家計の節約や税金、不動産や住宅ローンなど生きていくうえでさけては通れないお金について、適切な資金計画を立てるお金のエキスパートです。

ファイナンシャル・プランナーで扱う内容は、以下の6つに大別されます。

  1. ライフプランニングと資金計画
  2. 金融資産運用
  3. タックスプランニング
  4. リスク管理
  5. 不動産
  6. 相続・事業継承

ファイナンシャル・プランナーの資格体系は少々複雑で、国家資格である「ファイナンシャル・プランニング技能士(1~3級)」と民間資格の「AFP」や「CFP」が存在します。

試験の主催団体がNPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)と一般社団法人金融財政事情研究会に分かれており、どちらの主催団体で受験しても「FP技能士」の資格は取得可能です。

「AFP」と「CFP」については日本FP協会が認定する資格となっています。

FP技能士は一度合格すれば有効期限はなく更新の必要もありませんが、AFPおよびCFPは資格に有効期限が設けられているため注意が必要です。

なお1級FP技能検定(FP1級)および2級FP技能検定(FP2級)には受験資格などがあります。

ファイナンシャル・プランニングについて初めて勉強する方には、基礎的な知識を学べ、独学でも十分に合格が目指せる3級FP技能検定(FP3級)からの受験をおすすめします。

ファイナンシャル・プランナーの試験に合格したからといって、すぐに投資がうまくいくわけではありませんが、お金に関する知識を幅広く学べることもあり一見の価値はあるでしょう。

1-2.投資診断士

投資診断士は2019年3月から開始された比較的新しい資格です。

投資に関する基本的な事柄はもちろん、投資商品について学べることから、実際の投資を行う際は資格勉強で得た知識を活かせます。

先述したファイナンシャル・プランナーを「お金の専門家」とするならば、投資診断士は「投資の専門家」といった立ち位置になるでしょう。

受験資格はなく、受験申し込み後に協会から送付されるテキストと研修動画でしっかりと勉強できるため、取得の難易度は比較的低い資格です。

しかしながら、投資診断士の資格は取得すれば一生涯有効というわけではなく、試験合格から2年ごとに更新料と更新確認試験の受講が必要です。

とはいえ、投資診断士の資格保有者はZUUonlineの「プロフェッショナルプラン」を無料で購読可能なほか、金融リテラシー向上に関するメールを受け取れるなど多様な特典を受けられるため、資格を更新する価値はあるでしょう。

投資診断士の資格取得を機に、より広い視野で物事を見つめ、投資に関する知見を高めてみてはいかがでしょうか。

2.株式投資に活かせる資格

次に、株式投資に活かせる資格をご紹介します。

2-1.証券外務員

証券外務員とは、銀行や証券会社に勤務する社員が顧客に対して金融商品の営業を行う際に必須となる資格のことです。

証券外務員の勉強を通じて、株式や債権、財務諸表など金融全般の知識を学べます。

証券外務員には二種と一種があり、一種ではデリバティブ取引や信用取引についても知識を身に着けられるため、これから投資を本格的に始めようと考えている方におすすめです。

二種については基礎的な知識についての試験のため、比較的難易度が低く、独学でも十分合格圏内を狙えることから投資の勉強への第一歩としても取り組みやすいでしょう。

2-2.日商簿記2級

日商簿記検定といえば、年間受験者数が60万人ほどの人気資格であり、就職や昇進の際などで耳にすることも多いかもしれません。

日商簿記を学ぶことで企業の決算書や業績を読み解けるようになるため、リスクを避けて堅実的な投資ができるようになります。

また、株式投資をするうえで気になる「今度成長が見込めそうな優良企業はどこだろう」といった疑問も、日商簿記を勉強することで会社の成長性が判断できるようになるため、投資先についての判断材料の一つとして役立つでしょう。

投資に役立てるために、まずは一般的な企業の経理職に求められるレベルの財務分析を行う2級の取得を目指すことをおすすめします。

3.不動産投資に活かせる資格

続いて、不動産投資に活かせる資格を2つご紹介します。

3-1.宅地建物取引士

「宅建」「宅建士」の略称で知られる国家資格のひとつ、宅地建物取引士。

宅地建物取引士では建物や土地の構造・権利・種類・評価方法など広い知識を学べます。

宅地建物取引士を所持することで、次のようなメリットがあります。

  • 不動産売買で取り扱う「重要事項説明書」が理解できる
  • 怪しい不動産投資の話に騙されるリスクを下げる
  • 取引相手から一定の信頼を得られる
  • 不動産トラブルの防止になる
  • 契約に必要となる基礎的な法律知識が身につく

不動産の売買時に欠かせない「重要事項説明書」には専門的な内容も多く含まれていることから、不動産の知識がない場合、しっかりと全体を把握するのは非常に困難です。

しかし、宅地建物取引士の資格取得のために勉強することで、重要事項説明書の記載内容を的確に理解できるようになります。

さらには、宅地建物取引士の資格を持っていることで取引相手からの信用力が増し、また、不動産への知識があることで相手から持ち掛けられる詐欺的な不動産投資の話を見極められ、騙されにくくなるでしょう。

宅地建物取引士の試験は学習範囲が多岐にわたるため、それ相応の勉強時間が必要になります。

毎年の合格率も15~20%で推移している、取得が比較的難しい資格の一つのため、不動産投資をする目的で勉強する場合には合格を第一目標とするのではなく、内容をおおまかにでも理解することを主眼に置いてもいいかもしれません。

3-2.賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産経営管理士は賃貸不動産の管理に関する知識や技能を学べます。

また、単に不動産の知識を身に着けるだけではなく、入居者が安心して住めるような環境づくりもあわせて意識して学習しなければなりません。

そのため、専門知識だけでなく倫理観も問われる資格だといえるでしょう。

賃貸不動産経営管理士の業務範囲は以下の通りです。

  • 管理業務受託契約
  • 入居者の募集から入居に伴う一連の業務
  • 建物の維持管理やクレーム対応など
  • 退去時の立会いやその後の原状回復をはじめとした管理業務

不動産投資をするにあたっては様々な知識が求められますが、賃貸不動産経営管理士の資格を取得することで、そうした投資用賃貸不動産に関する知識の多くをカバーすることが可能です。

不動産投資をするうえで、経営管理に関する知識の差が数十万、数百万の利益の差を生むことも珍しくはありません。

賃貸不動産経営管理士は、ぜひ前向きに取得を検討したい資格の一つといえるでしょう。

4.資格取得以外で投資に関する知識を得るには

資格取得以外にも以下のような方法で投資に役立つ知識を身に着けることができます。

  • 投資に関する本を読む
  • 投資の勉強会やセミナーに参加する
  • ニュースや新聞を通じて情報を得る
  • 実際の投資を通して学ぶ

4-1.投資に関する本を読む

投資に関する知識を学ぶうえで一番手っ取り早いのが、投資関連書籍を読むことです。

投資に関する本や雑誌は多数出版されており、初心者向けのものも多く取り扱われています。

まずは読みやすいと思った本をいくつか購入してみるとよいでしょう。

4-2.投資の勉強会やセミナーに参加する

投資に関する勉強会やセミナーは全国各地の至るところで開催されており、オンラインセミナーも盛んに行われています。

1人で勉強していると知識が偏ってしまい、誤解したまま学習を追えてしまうことがあるでしょう。

勉強会やセミナーに参加することで自分が得た知識を再確認し、ブラッシュアップでき、新たな知識も得られます。

とはいえ、そうした勉強会の中には投資商品をしつこく勧誘してきたり、別の勉強会への参加を強制したりする団体も少なからず存在するため、参加する前にきちんと調べることをおすすめします。

4-3.ニュースや新聞を通じて情報を得る

投資や経済に関する情報は、日々ニュースや新聞を通して発信されています。

ニュースを通じ、今日の株式市場の状況や為替の値動きなどを把握できます。

また、日経新聞をはじめとした新聞の経済記事には投資に関する情報が多く掲載されているため、それらを読むことで知識を深めることができるでしょう。

いままでは聞き流すことが多かったテレビのニュースも、投資に役立つ知識を得たいといった目的をもって見聞きすることで新たな発見につながるかもしれません。

継続して情報収集することで経済状況などを理解でき、投資への知識がより確かなものとなるはずです。

4-4.実際の投資を通じて学ぶ

投資に関する知識をどれだけ得ても、実際に活用しなければ意味がありません。

学んだ知識だけでは実際の取引で思うようにいかないことも多く、「投資が失敗する」という経験を通じて学ぶことも多いでしょう。

投資はうまくいくときもあれば、当然うまくいかないこともあります。そうした経験を積むことで、どういうケースでどういった対応をしたらいいのか、実践的に学べます。

5.投資をする前に一通りの知識を身に着けよう

今回は投資に活かせる知識を得る方法についてお伝えしました。

自身のスキルアップはもちろん、投資家としてリスクを回避するためにも積極的に投資関連知識を身に着けるようにしましょう。

この記事が少しでも参考になっていたら幸いです。


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