SDGsとは?より多く人が健康かつ幸せに暮らすため、世界を変革する持続可能な開発目標

 

この記事の目次

貧困や飢餓、環境問題など、世界はさまざまな問題を抱えています。これらの問題を改善しなければ、多くの人が貧困や飢餓に苦しみ続け、さらに環境問題によって地球が住めない星になってしまうかもしれません。そんな状況を受け、2015年に国連で採択されたのが「持続可能な開発目標(SDGs)」です。この記事ではSDGsの概要から、17のゴールと現状について解説します。

1.SDGsってなに?

SDGsとは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称で、すべての人にとってより良く、持続可能な未来を達成するための開発目標です。2015年9月25-27日、ニューヨークの国連本部で開催された「国連持続可能な開発サミット」にて、150以上の加盟国参加のもとに採択されました。

現在世界が抱える問題を改善するために、2030年までに達成すべき17のゴールと169のターゲットを設定しています。

では、どういった経緯でSDGsが採択されたのでしょうか?

1-1.なぜSDGsが採択された?

実は、SDGsの前身に「ミレニアム開発目標(MDGs)」がありました。

MDGsは、Millennium Development Goalsの略称で、2000年9月にニューヨークで開催されたサミットで採択されています。

19世紀の産業革命や、20世紀の経済成長によって、多くの人の生活が豊かになりました。その一方で経済格差や環境破壊が進み、世界の国々が力を合わせて立ち向かわなければならない問題に発展します。世界が抱えるさまざまな問題を改善するために、2015年までに達成すべき、以下の8つの目標と21のターゲットが掲げられました。

  • 目標1:極度の貧困と飢餓の撲滅
  • 目標2:初等教育の完全普及の達成
  • 目標3:ジェンダー平等推進と女性の地位向上
  • 目標4:乳幼児死亡率の削減
  • 目標5:妊産婦の健康の改善
  • 目標6:HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止
  • 目標7:環境の持続可能性確保
  • 目標8:開発のためのグローバルなパートナーシップの推進

引用元:外務省 ミレニアム開発目標(MDGs)

これらの目標達成に向けたMDGsは、以下のように一定の成果をあげました。その一部をご紹介します。

  • 目標1「極度の貧困と飢餓の撲滅」の成果
    極度の貧困(1日1.25米ドル未満で生活)で暮らす人の数は、19億人(1990年)から8億3,600万人(2015年)と、半数以下に減少
  • 目標7「環境の持続可能性確保」の成果
    改善された水源から安全な飲料水を入手できる人の割合は、76%(1990年)から91%(2015年)に向上。1990年以降、26億人が新たに利用できるようになった

一方で、以下のような課題を残しました。その一部をご紹介します。

  • 目標1の「極度の貧困と飢餓の撲滅」で残した課題
    女性は男性と比べて、有給の仕事を手に入れ難く、より賃金が低く、土地などの資産の入手が限られていることから、貧困に陥りやすい
  • 目標4の「乳幼児死亡率の削減」で残した課題
    毎日1万6,000人の5歳未満児が命を落としており、その大半は予防可能な病気が原因

これらの残された課題の改善と、新たに表出した問題を改善するため、MDGsのあとに採択されたのがSDGsです。

1-2.17のゴールと169のターゲット

MDGsでは8つの目標と21のターゲットが掲げられていましたが、SDGsでは17のゴールと169のターゲットが掲げられています。MDGsより細分化された上、環境問題やエネルギー問題、持続可能な開発などの目標がより具体的になりました。

次の章では、17のゴールの概要と現状をご紹介します。

2.SDGs・17のゴール

SDGsの17のゴールは以下のとおりです。一つひとつのゴールについて、概要と現状を解説します。

  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  8. 働きがいも 経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任 つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

「持続可能な開発目標(SDGs)報告2019-国際連合広報センター」を参照

1.貧困をなくそう

世界銀行は、貧困の基準を1日1.9ドル以下に設定しました。

2015年時点では、世界でおよそ7億3600万人が貧困の中で暮らし、そのうち4億1300万人はサハラ以南アフリカに暮らしています。1990年は全人口の36%が貧困の中で暮らしていましたが、MDGsの取り組みなどもあり、2015年には10%まで低下しています。ですがこのままでのペースでは、2030年でも6%の人々が貧困のままだと推計されており、2030年までに貧困に終止符を打つことはできません。

2.飢餓をゼロに

飢餓の中で暮らす人々は、増加しています。2015年に栄養不良に陥っていた人々は7億8400万人でしたが、2017年には8億2100万人と推計されました。そのうち3分の2が、サハラ以南アフリカ(2億3700万人)、南アジア(2億7700万人)に集中しています。食料の安定確保と、持続可能な農業の推進が必要です。

3.すべての人に健康と福祉を

健康・福祉は大きな成果をあげています。5歳未満の死者は、2000年の980万人から2017年には540万人まで減少しました。また、予防接種により、はしかによる死者が2000年から2017年にかけて、80%減少しました。一方で、マラリアの感染者数が最も多いアフリカ10ヶ国では、2016年に比べて2017年は350万件増えたと推計されています。地球温暖化の進行による、マラリアを媒介する蚊の大量発生が想定されるため、地球温暖化対策も感染症対策に重要です。

4.質の高い教育をみんなに

最低限の読み書きと、算数ができていないこどもと思春期の若者の数は、世界で6億1700万人と推計されています。6歳から17歳の子どもの5人に1人は、学校に通えません。また、成人でも7億5000万人が読み書きできないとされ、そのうち3分の2は女性です。

すべての人が教育を受けられる環境と、男女の教育格差の是正も必要です。

5.ジェンダー平等を実現しよう

パートナーがいたことのある15歳から49歳の女性と女児18%が、過去12ヶ月以内にパートナーから身体的・性的な暴力を受けたと推計されています。また、労働者全体の女性の割合は39%ですが、管理職の女性の割合はわずか27%です。男女平等が叫ばれ続けていますが、まだまだ課題や山積しています。

6.安全な水とトイレを世界中に

2017年時点で、基本的な飲料水サービスを受けられていない人は、7億8500万人です。2030年までに7億人が、水不足により住み家を失う恐れがあるとされ、世界人口の5分の2は、自宅に石鹸と水を備えた基本的な洗面設備を持っていません。

人口増加によって水不足も深刻化しています。

7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに

エネルギーは、世界人口の10人に9人が電力を利用できたり、1ドルの経済生産を得るために必要なエネルギーが減少したり、再生可能エネルギー(水・風・太陽光発電など)の割合が増加したりなど、成果をあげています。

また一方で、30億人はクリーンな調理用燃料と技術を利用できておらず、電力を利用できない8億4000万人のうち、87%が農村部に暮らすなど、エネルギーの格差も大きな問題です。

再生可能エネルギーの導入促進により、地球環境に優しいエネルギーの普及させ、エネルギー格差の是正が期待されます。

8.働きがいも 経済成長も

2018年の労働生産性は、前年比2.1%増加しました。これは2010年以来最大の成長率です。ですが、2010年から2017年の後発開発途上国の実質GDP成長率は4.8%と、SDGsのターゲットである7%に足りません。また時給中央値は、男性が女性を12%上回っています。若者の5分の1は教育にも仕事にも訓練にも参加していません。

後発開発途上国の経済成長と、収入の男女格差の是正、若者の社会活動への参加の促進が重要です。

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

このゴールも「8.働きがいも 経済成長も」と同様に、先進国と後発開発途上国の差が顕著です。一人あたりの製造業付加価値は、欧米の4,938ドルに対し、後発開発途上国は114ドルです。一方で研究開発への投資は、2000年の7390億ドルから、2016年には2兆ドルに増加しました。

科学技術の発展により、産業の効率化や、持続可能性の推進が必要です。そして、科学技術を後発開発途上国に導入することで、生産性の向上や貧困・飢餓の改善を期待できます。

10.人や国の不平等をなくそう

経済格差が問題になっていますが、格差はまだまだ大きいです。最富裕層の1%の所得がさらに増え、最貧層40%の人が受け取る所得は全体の25%未満です。一方で、データを得られる92ヶ国の半数以上で、最貧層40%の2011年から2016年の所得は、全国平均の伸びを上回るなど、改善の兆しを見せています。

11.住み続けられるまちづくりを

住環境も大きな問題です。2018年、都市住民の4人に1人はスラムに類似した環境で生活しており、20億人はゴミ収集サービスを利用できていません。さらに、都市住民の10人に9人は汚染された空気の中で生活しています。

住環境は、衛生状態に直結するため、健康維持の観点からも重要です。クリーンで安全な住環境の整備や、ゴミ収集などのサービスの充実、大気汚染対策が必要です。

12.つくる責任 つかう責任

全世界で「マテリアル・フットプリント」が急拡大しています。マテリアル・フットプリントとは、消費された天然資源量の指標です。1990年430億メートルトンだったマテリアル・フットプリントは、2017年には920億メートルトンに達しました。さらに2060年には1900億メートルトンになると推計されています。

このままでは天然資源が枯渇し、生活に必要な生産活動を続けられなくなるかもしれません。天然資源の使用を抑え、持続可能な消費と生産パターンの構築が必要です。

13.気候変動に具体的な対策を

地球温暖化は、環境問題の中でも最も重要で緊急性の高い問題です。2018年の地球の平均気温は、産業革命以前の平均気温を約1℃上回りました。大気中の二酸化炭素濃度は、産業革命前の146%に増加しています。

地球の平均気温は、現在のペースでは2000年頃からの平均気温が2040年に約1.5℃、2100年には最大4.8℃上昇すると推定されています。平均気温上昇が1.5℃を超えると、熱波や洪水などの被害増加が加速すると考えられているため、2030年までに二酸化炭素排出量の45%削減が必要です。

また、地球温暖化(とくに気温や降雨量の変化)によって蚊が大量発生し、マラリアなどの感染病が増加するなど、人間への被害も甚大です。

そのため、全世界の気候変動対策資金が2013-2014年から2015-2016年にかけて17%増加し、6810億ドルに達しました。ですが、化石燃料への投資は7810億ドルと、依然として気候変動対策資金を上回っています。

世界銀行によると現時点でも、自然災害によって年2600万人が貧困状態に陥り、損失額は5200億ドルに登ると分析しています。

再生可能エネルギーの導入促進や省エネ技術の推進・普及などで、二酸化炭素排出の急激な削減が必須です。

14.海の豊かさも守ろう

排出された二酸化炭素を海洋が吸収することによる「海洋酸性化」も大きな問題です。産業革命以前より海洋酸性度は26%上昇しており、このままだと2100年までに、100~150%上昇する見込みです。

海洋酸性度は、海洋生物に悪影響を及ぼすため、海洋生物の絶滅や漁獲量の低下させてしまいます。事実、生物学的に持続可能な水準にある魚類資源の割合は1974年の90%から67%(2015年)へ減少しています。

海の豊かさを守るために、二酸化炭素排出の削減が重要です。

15.陸の豊かさも守ろう

生物の絶滅リスクの指標に「レッドリスト指数」があります。レッドリスト指数によると、生物種絶滅の危険性は過去25年間で約1割増加しました。

森林伐採などの環境破壊や、過剰狩猟が生物の絶滅リスクを高めています。生物絶滅によって食物連鎖のバランスが崩れると、異常繁殖する種が現れ、より生態系が壊れてしまいます。異常繁殖した種が農作物を荒らすなど、人間への被害も甚大です。また、森林伐採によって二酸化炭素吸収量が低下すると地球温暖化がさらに進行しますし、砂漠化も進行します。

生態系を破壊することで、さまざまな被害が想定されるのです。

16.平和と公正をすべての人に

殺人の犠牲者に男性が占める割合は全体の80%。一方でパートナーや家族による殺人の犠牲者に女性が占める割合は64%。殺人は男性が犠牲になる場合が多い一方で、家庭などの親密な関係においては、女性が犠牲になる場合が多いようです。把握された人身取引の被害者に女性と女児が占める割合は70%で、その目的の大半は性的搾取とされています。

これらの犠牲を防ぐためにも、すべての人が司法へアクセスできるような制度の構築が必要です。

17.パートナーシップで目標を達成しよう

政府資金で行われる、開発途上国・後発開発途上国への援助を「ODA」と言います。開発途上国や後発開発途上国の貧困・飢餓の改善、健康・福祉サービスの充実を進めるためにも、ODAは重要です。ですが、2018年のODA総額は、2017年から2.7%減少しています。とくにアフリカへの援助額が4%減少しました。

サハラ以南アフリカを中心に、開発途上国・後発開発途上国では、貧困・飢餓に苦しむ人がたくさんいます。援助の増額と継続が重要です。

3.私たちにできること

これまで解説してきたとおり、17のゴール達成に向けて世界中の国々が取り組んでいます。17のゴールを達成するためには国だけでなく我々一人ひとりの協力も重要です。

3-1.貧困・飢餓の撲滅

豊かな日本に暮らしていると、貧困・飢餓に直面することはなかなかありません。ですが、2015年時点で世界では、およそ7億3600万人が1日1.9ドル以下で暮らしています。こういった貧困・飢餓の撲滅に、寄付で貢献できます。

難民を援助する「国連UNHCR」をご存知でしょうか? 約135ヶ国、517ヶ所の事務所にて、約7144万人の難民を支援しています。月1000円から寄付が可能です。

  • 月2000円 ”1年で、病気やケガに苦しむこどもたちへの医療支援10人分”
  • 月3000円 ”1年で、約1週間分の清潔な水5世帯分(5人家族)”
  • 月5000円 ”1年で、暑さや寒さ、風雨から家族を守るテント1張”

3-2.再生可能エネルギーや省エネ設備の導入促進

SDGsの17のゴールの中でも、「13.気候変動に具体的な対策を」がとくに重要です。

地球温暖化により海水面が上昇して住み家を失う人が現れたり、熱波や大型ハリケーン・台風などの異常気象で犠牲になる人が増えたりなど、さまざまな被害が想定されます。

これらの被害にあった人は、貧困に陥る可能性もあり、さらなる貧困・飢餓の拡大につながってしまいます。また、地球温暖化の原因である二酸化炭素の増加により海洋酸性度が増加すれば、海洋資源が失われ食べられない魚が出たり、魚価が高騰する可能性も高いです。

地球温暖化は二次的・三次的にさまざまな問題を起こす上、すでにかなり進行しているため、最も重要かつ緊急性の高い問題です。地球温暖化を防ぐために我々にできることとして、再生可能エネルギーや省エネ住宅、ハイブリッド自動車や電気自動車を導入する方法があります。

自宅の屋根に太陽光パネルをつけることで、電力の自給自足が可能になり、化石燃料で発電された電力の消費を減らせます。使用量より多く発電した分は「固定価格買い取り制度」にて、東京電力などの一般電気事業者が買い取ってくれるため、経済的なメリットも。

政府が2030年に日本の電源構成の22-24%を再エネ発電にする「再生可能エネルギー主力電源化」を目標に掲げ、再エネの導入促進を勧めています。

また、住宅を新築する場合や、改修する場合、ZEH住宅にすることで省エネにつながります。ZEHとはネットゼロエネルギーハウスの略称で、使うエネルギー≦創るエネルギーとなる住宅です。高断熱・高気密やLED照明を用いて省エネを図りながら、屋根に太陽光を搭載することで、使うエネルギー≦創るエネルギーを実現させます。こちらも「ZEH補助金」という形で国が後押ししてくれます。

他に、CEV(クリーンエネルギー自動車)を購入すると交付される「CEV補助金」もあります。CEV補助金の対象は、電気自動車・プラグインハイブリッド自動車・燃料電池自動車・クリーンディーゼル自動車です。どの車種も一般的なガソリン車より化石燃料の消費を抑えられるため、地球温暖化や大気汚染の防止に繋がります。さらに補助金がもらえる上、燃費がよくなってガソリン代が浮くため、経済的なメリットもあります。

3-3.再生可能エネルギー促進と資産運用の両立

再生可能エネルギーの促進に貢献しつつ、資産運用する方法もあります。主に以下の2つです。

  1. インフラファンド(投資信託)
  2. 再生可能エネルギー発電ファンド

弊社では「ソライチ太陽光発電ファンド」を取り扱っております。

4.まとめ(より多くの人が幸せに暮らすために)

これまで解説してきたように、世界はさまざまな問題を抱えています。

貧困・飢餓により、多くのこどもたちが亡くなり、経済や性格差もまだまだなくなっていません。安全な居住地や水を得られない人たちや、満足な教育を受けられない人が何億人もいます。そして、地球環境はどんどん悪化し、このままでは人間が住めない星になってしまうかもしれません。

より多くの人が幸せに暮らし続けるために、一人ひとりができることから始めましょう。

多くの人が協力することで、より多くの人々が幸せに暮らせるようになります。


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