再生可能エネルギー発電とは?投資家が知っておきたい基礎知識を解説

 

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再生可能エネルギー発電

2020年以降の気候変動問題に関する、国際的な枠組みとして2015年に採択された「パリ協定」ですが、2019年11月、米国が離脱を通告するなど、最近なにかと話題になっています。なお、米国の離脱は2020年の11月が予定されています。

パリ協定の目標を達成するための第一の核となるのは、再生可能エネルギーの導入量を増やすなど低排出なエネルギーミックスの推進と、さらなるエネルギー効率化の追求です。

そこで今回は再生可能エネルギーについて解説したいと思います。

10秒でわかるこの記事のポイント
  • 再生可能エネルギーは、火力発電に代わるエネルギー供給源として期待できる
  • 再生可能エネルギーは、「持続可能な豊かな社会」を実現するために大きな期待が持てるエネルギー

1.再生可能エネルギー発電とは?

再生可能エネルギー(Renewable Energy)とは、石油や石炭、天然ガスといった有限な資源である化石エネルギーとは違い、太陽光や風力、地熱といった地球資源の一部など自然界に常に存在するエネルギーのことです。

法律を見てみると、「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」で、「再生可能エネルギー源」とは、太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして、次のように定められています。

①太陽光 ②風力 ③水力 ④地熱 ⑤太陽熱 ⑥大気中の熱その他の自然界に存する熱 ⑦バイオマス(動植物に由来する有機物)

1-1.再生可能エネルギー発電の特徴

再生可能エネルギーの特徴は、三つあります。

エネルギー源として永続的に利用することができる

持続可能な(Sustainable)エネルギーであり、枯渇しないことが前提となっています。

温室効果ガスを排出せずに電力を生み出せる

化石エネルギー源で発電する場合、大量の温室効果ガスを発生させますが、非化石エネルギー源は温室効果ガスを発生させません。

国内で生産できる

再生可能エネルギーは主に太陽や水、風といった自然のエネルギーに由来しています。そのため基本的に場所を選ばずにエネルギー源を調達することができます。

太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマスといった再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出せず、国内で生産できることから、エネルギー安全保障にも寄与できる有望かつ多様で、重要な低炭素の国産エネルギー源です。

経済産業省 資源エネルギー庁 なっとく!再生可能エネルギー

1-2.再生可能エネルギー発電のメリット

化石燃料は有限の資源であり、生成には非常に長い年月がかかります。新興国でのエネルギー需要の高まりから化石燃料の枯渇可能性がでてきました。化石燃料が枯渇すると、価格が高騰し、エネルギーを安定して得られない可能性がでてきます
日本では、火力発電の化石燃料を海外に依存しなければいけないため、エネルギー自給率が低くなってしまいます。しかし再生可能エネルギーであれば化石燃料に頼らず、日本国内にある自然エネルギーを利用すれば良いため、国内で生産できる国産エネルギー源となり、エネルギー自給率も向上しますまた、温室効果ガスの排出抑制があります。

1-3.再生可能エネルギー発電のデメリット

再生可能エネルギーは、輸入に頼らない国産エネルギーで、しかも発電時にCO2を出しません。一方で、広い土地が必要、天候に左右されるなどさまざまな課題があります。

エネルギー密度(単位面積当たりの発電電力量)が低く、大きな設備が必要
天候など自然状況に左右され不安定であり、需要に合わせて発電できない

電気は大量に貯めることが難しいので、使われる電気と常に同じ量を発電させるために、出力が変化しない原子力発電や、比較的容易に出力を変化できる火力発電、水力発電などの各電源を組み合わせて調整し、バランスをとっています。
天候などによって出力が大きく変動する太陽光発電や風力発電が増えてくると、使い切れない電気を貯めたり、足りない電気を補うための取組みが必要になります。

発電コストが比較的割高

再生可能エネルギーには課題がありますが、発電時にCO2を排出しないことから地球温暖化対策として有効な電源です。

2.再生可能エネルギー発電の種類

再生可能エネルギー発電には、どのような種類があるのでしょうか。種類ごとに解説します。

2-1.太陽光発電

太陽光発電

日本を代表する再生可能エネルギー発電に太陽光発電があります。

太陽光発電は、シリコン半導体などに光が当たると電気が発生する現象を利用し、太陽の光エネルギーを太陽電池(半導体素子)により直接電気に変換する発電方法です。

エネルギー源が太陽光であるため、基本的には設置する地域に制限がなく、導入しやすいシステムですが、気候条件により発電出力が左右されやすい発電方式です。また、導入コストも次第に下がってはいるものの、今後の更なる導入拡大のため、低コストに向けた技術開発が重要です。

太陽光発電は、投資対象としても近年人気を集めています。太陽光発電がどのような仕組みで売電収入を得ているのかは関連記事で詳しく解説しています。

太陽光発電は設備稼働率が他の発電方式に比べ低いこともあり、広大な土地を必要とします。そのため、山の奥地に設置されることも多く、太陽光発電を設置することによって引き起こされる森林破壊や景観の悪化、斜面に設置した場合の崩落危険性など、設置する「人」による問題もあります。
当社が扱う太陽光ファンドでは、無理な森林伐採や崩壊の危険性のある斜面への設置は行いません。また、(公益社団法人)国土緑化推進機構の緑の募金を通じて、緑の再生に貢献していきます。

2-2.風力発電

風力発電

風のエネルギーを電気エネルギーに変えるのが風力発電です。風の力を風車の羽根で受け止め、モーターを動かして電気エネルギーに変換する発電方法が一般的です。

日本では陸上風力の設置が進んでいますが、発電コストの高止まり、導入可能な適地は限定的であることから、大きな導入ポテンシャルを持つ洋上風力発電が検討・計画されています。しかし、系統制約、環境アセスメントの迅速化、地元調整等の開発段階での高い調整コストなどの課題があります。

2-3.水力発電

日本では、水資源が豊富であることから、発電への利用も昔から盛んで、国内でまかなうことのできる、貴重なエネルギー源となっています。

水力発電といえば大きなダムを想像しますが、中小水力発電の建設が期待されています。中小水力はさまざまな規模があり、河川の流水を利用する以外にも、農業用水や上下水道を利用する場合もあります。

2-4.バイオマス発電

バイオマスとは、動植物などから生まれた生物資源の総称であり、バイオマス発電では、この生物資源を「直接燃焼」したり「ガス化」するなどして発電します。

光合成によりCO2を吸収して成長するバイオマス資源を燃料とした発電は「京都議定書」における取扱上、CO2を排出しないものとされています。

未活用の廃棄物を燃料とするバイオマス発電は、廃棄物の再利用や減少につながり、循環型社会構築に大きく寄与します。また、家畜排泄物や生ゴミなど、捨てていたものを資源として活用することで、地域環境の改善に貢献できます。

一方で、燃料になる材料の調達について懸念がある場合が多く、持続可能性が問題視されます。また、海外から燃料を輸入する場合、その輸送に伴った温室効果ガスの発生といった問題もあります。
食料に使われている農作物の抽出物を燃料として使用する場合や燃料となる農作物を栽培するために森林減少を招くといった課題があります。

2-5.地熱発電

地下の地熱エネルギーを使うため、長期間にわたる供給が期待されます。また、発電に使った高温の蒸気・熱水は、農業用ハウスや魚の養殖、地域の暖房などに再利用ができます。

立地地区は公園や温泉などの施設が点在する地域と重なるため、地元関係者との調整が課題となります。

2-6.その他

その他に、太陽熱利用や雪氷熱利用、温度差熱利用、地中熱利用、空気熱利用などさまざまな発電方式があります。

3.再生可能エネルギー発電の必要性

再生可能エネルギーには課題はありますが、技術発展により、設備コストが下がれば、今後火力発電に代わるエネルギー供給源として期待できます。

現在、日本は火力発電に依存していますが、経済産業省は、二酸化炭素(CO2)を多く出す低効率の石炭火力発電所による発電量を2030年度までに9割削減する方針を固めました。今後、太陽光発電、風力発電、中小水力発電など各地で利用できる発電を組み合わせれば、その電力を賄える可能性があります。

地球全体で起こっている地球温暖化や気候変動などを抑えることにもつながるため、私たちの未来を守るためにも必要な発電方法だと思います。

4.まとめ

再生可能エネルギーは、「持続可能な豊かな社会」を実現するために大きな期待が持てるエネルギーです。環境配慮と経済活性化を含めた総合的な観点から検討したうえで、再生可能エネルギーが普及されることが望まれます。


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