少額投資を始める上でおすすめの投資商品とは|それぞれの特徴をまとめてみました

 

この記事の目次

貯金をしていてもほとんど金利がつかない昨今、資産運用の重要性について頭では理解しているものの「何から始めたらいいのかわからない」という方も多いかもしれません。

資産運用と聞くと、初期費用としてある程度まとまった金額が必要だと思いがちですが、投資商品によっては100円から投資を始めることが可能です。

そこで今回は、少額投資の概要やメリット・デメリットをはじめ、おすすめの投資商品についてまとめてみました。

1.少額投資とは

冒頭でも軽くお伝えしたように、少額の資金で始められる投資のことを少額投資といいます。

少額投資では積立形式を採用している商品が多く、中長期的な視野で投資をしたいと考えている投資初心者におすすめです。

1-1.上手な少額投資のコツ

たとえ少額とはいえ、できれば損をすることは避けたいですよね。

そこで、少額投資を始める上で押さえておきたいコツを3つご紹介します。

1-2.時には損切りをする勇気も必要

投資した商品の運用がうまくいかず、元手よりも大幅に損をしてしまうことがあるかもしれません。

場合によっては相場が回復して黒字になることもありますが、そうならないケースが多いのも事実。

損失を確定させたくないという気持ちがあるかもしれませんが、そのまま必要以上に損失が広がってしまっては元も子もないですよね。

そこで、投資商品を購入した時点で損切りする目安をしっかりと決めておくようにしましょう。

1-3.短期間で儲けようとしない

少額投資では積立形式を採用していることが多く、株やFXのように短期的に儲けを出すことに向いている投資手法ではありません。

そのため、今あるお金を着実に増やしていこうと考えている場合には、ハイリスク・ハイリターンな短期投資ではなく、中長期的にコツコツと投資額を増やしていくことをおすすめします。

1-4.分散投資を心がける

少額投資はひとつの投資商品に対する初期投資額が少なくて済むことから、分散投資がしやすいといったメリットを有しています。

1つの商品に対して集中的に投資を行うと、万が一、その商品が暴落したときに大きな損失を被ることになります。

しかし、いくつかの商品に分けて投資をしておけば、ひとつの商品で損失が出てしまっても他の商品が被害を受けることはありません。

大きな損失を出さないためにも、少額投資では分散投資を心がけることが重要です。

2.少額投資のメリット

少額投資の概要について理解したところで、ここでは少額投資のメリットについて見ていきましょう。

少額投資の主なメリットは次の3つです。

  • 比較的リスクが少ない
  • 税制上の優遇を受けられる
  • 徐々に投資規模を拡大できる

2-1.比較的リスクが少ない

先述したように少額投資では分散投資がしやすく、100円から投資ができることもあり、一般的な投資に比べて損失額が大きくなりづらいといえます。

そのため、「できるだけリスクを抑えた投資がしたい」「ハイリスク・ハイリターンな投資は避けたい」といった方におすすめです。

2-2.税制上の優遇を受けられる

通常、投資で得た利益に対しては20.315%の税金がかかります。

しかし、代表的な少額投資として知られる「少額投資非課税制度(通称:NISA制度)」や「個人型確定拠出年金(iDeCo)」を活用することで、税制上の優遇を受けられます。

詳しくは追って述べますが、NISAであれば一定期間、運用で得た利益に対して税金がかかりません。

また、iDeCoであれば掛け金が全額所得控除の対象となるため、恩恵が大きい制度だといえるでしょう。

税制優遇はNISAやiDeCo特有のものであり、他の少額投資商品で優遇が受けられるわけではないのでご留意ください。

2-3.徐々に投資規模を拡大できる

少額投資とはいえ、運用がうまくいけば資産は徐々に増えていきます。

得られた利益で、追加の投資をすることはもちろん、別の投資商品にあてるなど、少しずつ投資規模を拡大していくことも可能です。

投資金額が大きくなれば、それだけ得られるリターンも大きくなります。

その際も分散投資を心がけていれば、万が一の場合でも大損するリスクを避けられるでしょう。

また、少額投資を続けることで徐々に投資の世界を知り、知識を深めていくことにも繋がります。

3.少額投資のデメリット

少額投資は、少額から始められる投資である一方、狙えるリターンはそこまで大きいものではありません。

まとまった利益が手元に入るまでにはそれなりの時間を必要とするため、短期的にある程度の利益を得たい方には向いていない投資手法だといえます。

また、少額とはいえ投資であることに変わりはなく、元本保証のない商品があることはもちろん、金融相場の影響を受けて元本割れを起こしてしまうこともあるでしょう。

そのため、少額投資を始めるにあたっては、一度にまとまった利益を得るものではなく、長い目でコツコツと運用していくものだという意識を今一度持っておくことが大切です。

4.おすすめの投資商品

少額投資の概要やメリット・デメリットについて把握したところで、おすすめの投資商品をいくつかご紹介します。

これから少額投資を始めようとしている方はもちろん、新たな少額投資先を探している方は参考にしてみてください。

ここでご紹介する投資商品は以下の4つです。

  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)
  • 少額投資非課税制度(NISA・つみたてNISA)
  • 不動産クラウドファンディング
  • 太陽光発電ファンド

4-1.個人型確定拠出年金(iDeCo)

iDeCoは個人型確定拠出年金のことで、自身で拠出した掛け金を自ら運用し、老後の資金形成に役立ててもらうことを目的としています。

原則として60歳まで預けた資金を引き出すことはできないものの、運用で得た利益は非課税となるほか、掛け金の全額を所得控除できるのが最大の特徴です。

また、60歳以降に受け取る際には年金として受け取るか、一時金として受け取るかを選択できます。

年金として受け取った場合は「公的年金控除」の対象で、一時金として受け取った場合は「退職所得控除」の対象です。

いろいろなメリットがあるiDeCoですが、注意点としては、60歳まで資金の引き出せないことと、iDeCoを行うための専用口座に対して手数料がかかることが挙げられます。

とはいえ、掛け金が全額、所得控除となることは大きなメリットといえるでしょう。

将来の資産形成のために投資を始めたいと思っている方におすすめの投資商品です。

4-2.少額投資非課税制度(NISA・つみたてNISA)

少額投資非課税制度とは少額で投資をはじめ、その投資で得られた利益が一定期間、非課税になる制度のことです。

NISAには「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類があります。

「ジュニアNISA」は2023年に終了することが決まっており、投資対象者が未成年に限られているので、今回は「一般NISA」と「つみたてNISA」について扱います。

一般NISAとつみたてNISAの特徴を簡単に表にしてみました。

  一般NISA つみたてNISA
投資対象者 日本国内に住む20歳以上の人 同左
非課税上限額 年間120万円 年間40万円
投資可能期間 最長5年間 最長20年間
投資対象商品 投資信託、ETF、REIT、上場株式など 一定の要件を満たした投資信託、ETF(※)

※つみたてNISAの投資対象商品は、販売手数料がゼロ(ノーロード)など所定の要件を満たしたものに限られる

少額投資といった観点では、上記のうち「つみたてNISA」をおすすめします。

証券会社によっては月100円から投資を始められることに加え、投資対象商品も一定の要件を満たしたものであるため、長期分散投資に適したものが揃っています。

NISAはひとり1口座までしか開設できず、一度開設したあとで口座を他の証券会社へ移管することは非常に手間がかかることから、事前にどこで口座を開設するのか考えるようにしましょう。

4-3.不動産クラウドファンディング

少額で始められる不動産投資と聞くとREIT(不動産投資信託)を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、昨今では不動産クラウドファンディングと呼ばれる商品も人気を集めています。

不動産クラウドファンディングのメリットとしては、一棟まるごと投資をする従来の不動産投資に比べ、取引が楽である点です。

また、東京証券取引所に上場しているJ-REITとは異なり、不動産クラウドファンディングは非上場のファンドです。また、自身で投資する物件を選定することも可能です。

4-4.太陽光発電ファンド

太陽光発電ファンドとは企業や自治体が設立したファンドで出資者を募り、太陽光発電投資を行う仕組みを指します。

投資した太陽光発電設備から得られた売電収益は出資者の出資割合に応じて分配されます。

投資信託と同じく、お金の管理・運用をプロに任せることから、投資に取り組む時間があまりとれない方でも安心して投資できる点が大きなメリットだといえるでしょう。

一般的な太陽光発電投資では、初期費用として数百万円、場合によっては1,000万円を越えることも珍しくありませんが、太陽光発電ファンドであれば1口当たり数十万円から投資を始められます。

運用期間が比較的長期に設定されていることから、短期的に大きなリターンを見込むことはできませんが、長い目で資産形成をしたいと考えている場合は、検討する価値のある投資商品だといえるでしょう。

なお、太陽光発電ファンドについては以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

5.まとめ

この記事では少額投資を始める上でおすすめの投資商品について、お伝えしました。

少子高齢化による年金制度への不安がささやかれる昨今、若いうちから老後へ向けた資産形成について考えておくことが大切です。

記事の中で紹介した投資商品はあくまで一部ですが、今後の投資計画をたてる際に参考にしていただけたら幸いです。


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